第48回日本磁気学会の講演大会で5件発表
9月25日~27日、日本磁気学会の講演大会で、5件の研究発表を行いました。8年ぶりの参加です。
1)GSR原理を応用したnTメータの開発 (発表者は都筑博士課程の学生)
直径10μmの磁性ワイヤで0.3nTの微小磁界の検出に成功した。
2)nTメータを応用して微小磁性粒子の検出(発表者は疋島博士)
直径5μmの磁性微粒子検出に成功。世界のレベルは直径50μmまで。
3)ステンレス磁石の開発(発表者は三嶋博士)
ステンレス磁石の発見とそのメカニズムを研究中。現在その理由は不明。
4)ステンレス磁石の磁性アタッチメントへの応用(発表者は三嶋博士)
ステンレス磁石の採用で磁力が50%アップ、工程が大幅に簡素化した。
5)薄型磁性アタッチメントの開発(発表者は三嶋博士)
ステンレス磁石とリング型磁区構造を採用することで、磁力特性が2倍にアップ。
nTメータの発表では、会場から直径5μmの微粒子の検出とリチウム電池問題解決の可能性について、驚きの声が上がっていました。微小磁性粒子の測定には、測定部直径10μmのnTメータが最適だとの評価をいただきました。
ステンレス磁石と磁性アタッチメントの発表では、ステンレスという構造用素材が磁石性能を持ち、それが医療分野で応用されているとの新情報に驚いておられました。
今年の発表件数は300件を超え、参加者も600名に達し、10年ぶりの盛況ぶりでした。磁気センサ、医療磁気治療、MRAMの研究など、AI技術の進歩に対応したMagnetics関連の会場で熱気がありました。反対に、磁石やモータ関連などのエネルギーの分野が低調でした。
発表の詳細にご興味のある方は、添付資料(1から5)をご覧下さい。
1)240924 MSJ 小型高感度磁気センサnTメータの開発
2)240924 MSJ 磁気センサnTmeterによる微小磁性粒子の検出
3)240926 MSJ 歯科用磁性アタッチメント向けステンレス鋼磁石の開発